Amazon EC2 メモリ最適化インスタンスファミリーに属している X1 インスタンスは、AWS クラウドにおいて大規模なインメモリアプリケーションを実行するために設計されています。X1 インスタンスには、最大で 1,952 GiB の DRAM ベースのメモリが用意されています。各 X1 インスタンスにつき、4 基のインテル® Xeon® E7 8880 v3 (コードネーム Haswell) プロセッサが使用され、最大 128 個の vCPU が提供されます。

X1 インスタンスは、他の EC2 インスタンスと比較して GiB 当たりの RAM の単価が最も低く、SAP HANA のようなインメモリデータベース、Apache Spark や Presto のようなビッグデータ処理エンジン、またハイパフォーマンスコンピューティング (HPC) アプリケーションを実行するのに最適です。X1 インスタンスは、AWS クラウドで、次世代ビジネススイート S/4HANA、Business Suite on HANA (SoH)、Business Warehouse on HANA (BW)、および Data Mart Solutions on HANA の本番環境での実行を SAP によって認定されています。詳細。

高性能

X1 インスタンスでは、インスタンスごとに 1,952 GiB の DRAM ベースのメモリが提供されていることに加え、128 個の vCPU と、高いメモリ帯域ならびにより大きな L3 キャッシュを特徴とするインテル Xeon E7 8880 v3 プロセッサを搭載することで、インメモリアプリケーションのパフォーマンスが向上しています。X1 インスタンスでは、最新の Intel AES-NI 機能を通じてより高い暗号化のパフォーマンスが実現しており、Intel® Transactional Synchronization Extensions (TSX) のサポートによりメモリ内トランザクションデータ処理のパフォーマンスが向上しています。また、Advanced Vector Extensions 2 (Intel AVX2) プロセッサ命令のサポートにより、ほとんどの整数コマンドが 256 ビットに拡大されます。

高いストレージスループット

X1 インスタンスでは、最大 25 Gbps のネットワーク帯域幅が提供されます。X1 インスタンスでは、追加料金なしで最大 14 Gbps の Amazon Elastic Block Store (Amazon EBS) への専用帯域幅もご利用いただけます。

SAP HANA の本番環境において、Amazon EBS 汎用 SSD (gp2) またはプロビジョンド IOPS SSD (io1) ボリュームの使用が認定されています。認定済みの EBS ストレージ構成の詳細については、SAP HANA on AWS を参照してください。

高可用性と信頼性

X1 インスタンスでは、マルチビットエラーを検出し修正する Single Device Data Correction (SDDC +1) がサポートされます。SDDC +1 ではエラーチェックおよび修正コードが使用され、障害が発生した単一の DRAM デバイスが特定され、無効にされます。

さらに、高可用性 (HA) および災害対策 (DR) ソリューションを実装し、Amazon CloudFormation および Amazon EC2 Auto Recovery を利用することで、目標復旧時間 (RTO)、目標復旧時点 (RPO)、およびコスト要件を満たすことができます。詳細はこちらをご覧ください

SAP HANA の本番環境では、X1 インスタンスで HANA System Replication (HSR) も利用できます。詳細については、SAP HANA HA and DR を参照してください。

コストを削減し管理の煩わしさを減少させる

X1 インスタンスにより、大規模なデータセット要件をともなう大企業レベルのアプリケーションにおいても、AWS クラウドが備える伸縮性、使いやすさ、コスト効率を活用できます。X1 インスタンスをオンデマンドインスタンスまたはリザーブドインスタンス (購入オプションを参照) として起動することで、最も低いコストでワークロードを実行できます。AWS Quick StartsAWS CloudFormation および他の AWS 管理サービスを活用して、より簡単かつ迅速に X1 インスタンスをプロビジョニングすることもできます。詳細については、SAP HANA Migration to AWS を参照してください。