イノベーションという行為は、多くの場合、壮大なひらめき、つまりエウレカの瞬間、あるいは多くの人になじみのある、発明家の頭上で光る電球のように考えられています。革新的なアイデアがどこからともなく生まれ、高揚感を伴ってリリースされて市場に旋風を巻き起こし、永続的な成功を収め続けるというのが、社外のほとんどの人の認識かもしれません。しかし、それはまったくの幻想です。セレンディピティはドラマチックなストーリーを演出するかもしれませんが、イノベーションの源となることは (たとえそのように見えたとしても) めったにありません。
当社が事業活動を開始した Day One の時点から、Amazon は絶えずお客様を中心に考え、お客様のニーズに応えるためのイテレーションと実験に対する規律的なアプローチを採用してきました。当社は、一貫したイノベーションが、偶然ではなく、これらの 2 つの要素を製品駆動型の運用モデルに統合することによって実現されることに気付きました。Amazon の製品駆動型のアプローチは独特です。当社はあらゆる意思決定の中心にお客様を据えます。当社は新製品のビジョンをしっかりと保ちながら、そのビジョンを達成する方法の細部については柔軟に対応しています。そして、当社は、反復的で実験に基づいたアプローチを採用し、お客様のニーズを満たす最善のソリューションを構築してリリースします。この製品駆動型の運用モデルは、当社がお客様、従業員、パートナー、サプライヤーのために迅速にイノベーションを起こすための基盤となっています。
企業はますますグローバル化しています。製品とサービスは完全にデジタル化されています。そのすべてを通して、情報力と選択力を得るにつれて、顧客の期待が高まっています。
この変化のペースに対応すると同時に、市場のオポチュニティや混乱に対応する能力を得るには、ビジネスにおける俊敏性が必要です。顧客中心のアプローチを採用する IT リーダーは、それを実現できる条件を作り出すことができます。
Amazon の CEO であるアンディー ジャシーは、2021 年の株主への手紙の中で次のように述べています。
当社は、お客様の立場に立って、お客様が何を望んでいるのかを理解し、Amazonian のチームを編成してより良いソリューションを考案するために連携しながら、20 年超にわたって (多くの場合、成果が目に見えるようになるかなり前に) 多額の資金と人的資源を投資することで、その能力を苦労して獲得したのです。この種の反復的なイノベーションは決して終わることがなく、多額の投資を実行する年に定期的にピークが生じますが、長期的なカスタマーエクスペリエンス、顧客ロイヤルティ、株主への利益の還元の向上につながります”
ジャシーが語る長期的なカスタマーエクスペリエンスの一例として、Amazon が 2005 年に導入した 2 日以内の配達を挙げることができます。当時、そのスケジュールどおりにすべてを配達することは前代未聞のことでした。2 日以内の配達は、完全にゲームチェンジャーでした。
これはすぐにお客様のお気に入りとなり、Amazon のサービスの特徴の 1 つとなりました。それ以来、これは Amazon のビジネスだけでなく、業界全体にとっても変革をもたらすものであったことが実証されており、今日の企業は、対応が遅く、お客様のニーズに寄り添っていないと思われないように、可能な限り最速で最も便利な配達スケジュールを実現できるよう取り組んでいます。
2 日以内に配達するというアイデアは、理論的にはシンプルに聞こえますが、実際には非常に複雑であり、これを可能にするためには驚異的な努力が必要でした。これは、Amazon におけるイノベーションの無数にある例の 1 つに過ぎません。 スピードと規模でイノベーションを起こし、新しい製品やサービス (2 日以内に配達するなど) を通じて成長を実現するには、強力な製品管理アプローチを備えることが重要です。この記事では、当社がどのようにイノベーションを自らの DNA の一部としてきたのかを明らかにしていきます。当社の製品駆動型の運用モデルに最も大きな影響を与えると考えられる 4 つの主要な製品管理の要素を見ていきます。これらの要素とは、お客様を中心にした考え方を実務に採り入れること、当社独自のプロダクトマネージャーの役割、チームが大規模かつ迅速にイノベーションを実現できるようにする方法、および継続的なイテレーションを推進するパフォーマンスメトリクスです。これらの中核的な要素は、お客様へのサービス提供において、長期にわたって迅速かつ効果的にイテレーションを実行することを可能にする強力なシステムを生み出します。
Working Backwards (逆算して取り組む): お客様を起点に考える
当社が協力関係にある多くの組織は、顧客を非常に重視しており、顧客に満足してもらうことと、ビジネスの成長との関連性を認識しています。問題は、何が顧客を喜ばせるのかをどのように判断するのが最善かということです。 顧客のニーズと、対処できる問題や機会について、どのようにして最終的なイメージに到達するのでしょうか? 直感や個人的な経験に基づいて顧客のニーズを推測することは良い心がけではありますが、不確定的でもあります。顧客を起点に考えるためには、組織は想像することから知ることへ移行する必要があります。
Amazon では、お客様のニーズを明確に定義できるようにするための特別なメカニズムを生み出し、お客様、お客様の課題、お客様にご満足いただくにはどうすればよいかに関するデータを収集しました"
当社は、お客様が製品をどのように使用するかだけでなく、購入の決定にどのように到達するのか、どのようにオンボーディングするのか、必要な場合にどのような方法でサポートに問い合わせる可能性があるのかなど、ライフサイクル全体にわたるカスタマーエクスペリエンスを広範に把握します。その後、その幅広い知識ベースから「逆算して取り組み」、お客様の実像、当社が対処しようとしている具体的な課題や機会、お客様のエクスペリエンスをどのように改善して利益をもたらすことができるかを明確にします。このプロセスは、当社が一貫性をもってプログラムを使用して大規模に実行するものであり、当社では「Working Backwards」(逆算して取り組む) と呼ばれています。
まず、予算のリクエスト、チーム編成、コード行の記述を行う前に、この最終製品が達成することについて私たちが想像する内容についてのプレスリリース (PR) を作成します。1 ページに収める必要があるため、これは、大きなアイデアを簡素化し、エンドカスタマーの心に響く、説得力と簡潔さを備えたナラティブにまとめる演習となります。リーダーシップを含め、関連するすべてのステークホルダーがこのプロセスに関与します。PR はイノベーションのノーススターとしての役割を果たします。
また、この生み出されようとしている製品に関する主要な質問に回答するよくある質問も作成します。このよくある質問の前半は、「製品が壊れた場合はどうなりますか?」、「私のデータは安全に維持されますか?」、「他の製品ではなくこの製品を選ぶべき理由は何でしょうか?」などのお客様からの質問に焦点を当てており、お客様の視点から製品を考えさせられることになります。
後半は、「この製品は利益をもたらしますか?」、「他の製品との間でカニバリゼーションが生じる可能性はありますか?」、「これを機能させるためのリソースはありますか?」などの私たちの疑問に対して回答するものです。 考えられるすべての質問が含まれているわけではありません。当社は最も重要な質問から始めて、質問に対する十分な回答が得られ、製品ライフサイクル全体を通じて迅速かつ効果的に意思決定を行うことができると確信できるまで作業を継続します。
こうしたドキュメントは、イノベーションを実現するための最も有益なメカニズムの一部を担っています。これらがあることで、製品チームは製品開発を開始する前に、最も重要な事項に優先順位を付け、どの機能に投資するかを特定し、問題が発生する前に見つけ出し、組織の連携を構築することが欠かせなくなります。PR とよくある質問は、アイデアがお客様の魅力的な価値にしっかりと根差していることに確実を期すものであり、仮説をテストし、新製品の潜在的な影響を評価するための不可欠なツールになります。これにより、製品チームはビジョンをしっかりと持ちながら、細部には柔軟に対応できるため、実験を迅速に行ってビジョンを実現する最適な方法を特定することができます。
このアプローチは、製品チームが特定のソリューションではなくお客様のニーズや機会に焦点を当てる環境を作り出すものです。その後、製品開発の作業が始まり、ソリューションを提供するための最もシンプルかつ効果的な方法に至るまで、利用可能なオプションを絞り込むために実験とイテレーションが行われます。
当社は、自社製品とその機能をお客様と共同で設計し、実務で製品のイテレーションをテストすることが望ましいと考えています。当社はリリースを「Minimum Lovable Product」(愛される最小限の製品) に分割します。 各イテレーションでは、積極的に購入して利用したいとお考えのお客様の重要なニーズに対応します。そして、フィードバックに基づいて、必要に応じて製品を迅速に微調整します。目標としているのは、当社が対象市場でどの程度の経験を持っているか、アイデアを生み出した人が組織内でどの程度上位の役職に就いているか、あるいはそのイノベーションがどの程度の価値を秘めていると当社が考えるかにかかわらず、当社が持っているアイデアを仮説として扱うことです。お客様の意見を聞くだけでなく、開発中の製品を利用していただき、その影響を測定することによって、お客様から学ぶことに重点を置いています。このアプローチにより、製品または市場の適合性に関連するリスクが軽減され、過度の機会損失を回避できます。
EC2 と呼ばれる主力製品の最初のバージョンをリリースするために AWS のチームが採用したアプローチは、このプロセスが実際に機能しているのを示す好例です。初期の製品に関する困難な決定を下すことを余儀なくされたチームは、より限定的なバージョンを早期にリリースしてから、残りの機能については時間をかけて、データに基づいてより確信が持てるようになってから具体化するという反復的なアプローチを適用しました。
EC2 (および AWS 全般) で当社がお客様のために発明し、提供してきた製品やサービスのリストは非常に驚くべきものです。イノベーションに至るためのこの反復的なアプローチにより、他のどのプロバイダーよりもはるかに多くの機能が AWS でお客様に提供されただけでなく (これは重要な差別化要因です)、今日の AWS をご覧いただければおわかりのように、非常に革新的なサービスを生み出すこともできました"
— Amazon、President 兼 CEO、アンディー ジャシー
Amazon のプロダクトマネージャー: お客様の真の声
お客様を起点に考える組織として、当社が製品開発において最も重視している要素はお客様の声です。Amazon では、プロダクトマネージャーはお客様の声を代弁する責任があり、その役割を最も重視しています。
プロダクトマネージャーはお客様と直接連携し、お客様のデータを深く掘り下げて問題を解決し、イノベーションを起こします。これらのプロダクトマネージャーはお客様の課題を理解し、お客様に何らかのメリットをもたらすものを見つけ出し、お客様とともに製品ロードマップを開発します。また、製品のビジネス成果を推進し、製品の開発、販売、マーケティング、サポート、運用上の問題を監督する責任も負っています。この役割は、お客様中心主義とオペレーショナルエクセレンスという Amazon の精神を具現化するものです。
Amazon でプロダクトマネージャーとして成功するために必要なスキルは動的かつ広範囲であり、独自のハードスキルとソフトスキルの組み合わせが必要となるため、能力が試される役割です。Amazon で成功しているプロダクトマネージャーに見られる最も一般的な特徴は、共感力と関係構築スキルがあり、起業家精神を持っていて、その役割に情熱を注ぎ、その役割で正確を期すということです。これらの特徴は、どの企業のプロダクトマネージャーについても一般的に高く評価されていると思われますが、Amazon で成功するには特に重要です。
“何かを発明する際に失敗したいなら、その作業を誰かのパートタイムの仕事にすることです” - Amazon、Devices & Services 部門 SVP、David Limp
Amazon では、プロダクトマネージャーはシングルスレッドリーダーです。これはコンピュータサイエンスから借用した用語で、一度に 1 つのことに取り組むことを意味します。当社は、高度なスキルを持つ 1 人の担当者に責任を持たせ、その仕事をその担当者の唯一の仕事にすることで、集中力や創造性が高まり、権限と説明責任が明確化され、チームメンバー間のオーナーシップと当事者意識が強まることに気付きました。当社はプロダクトマネージャーとそのチームに完全な自主権、信頼、責任を与えて、新しい製品やサービスを迅速にイテレーション、実験、リリース、スケールできるようにします。
この高度に機能横断的な役割には、共感と関係構築スキルが不可欠です。あらゆる規模のお客様と直接関わることに加えて、社内のステークホルダーとコミュニケーションを取り、複数の開発チームの他のプロダクトマネージャーやエンジニアと協力し、採用プランに関して営業チームと連携します。プロダクトマネージャーはその場で最も上級の人材ではなく、最も深い技術的専門知識を持っていないかもしれませんが、すべてのステークホルダーから信頼を獲得する (Earn Trust) ために一貫して取り組んでいます。これは、Amazon のリーダーシップ原則の 1 つです。 ビジネスリーダーはリソースと意思決定権限をプロダクトマネージャーに委任し、同僚やチームメンバーはプロダクトマネージャーに指示を仰ぎます。プロダクトマネージャーは、ボトルネックを解消し、結果を実現するというパフォーマンスを通じてこれらすべてのステークホルダーの信頼を獲得します。
優秀なプロダクトマネージャーは、曖昧さや矛盾する優先事項が際立つ環境で業務を行っているため、起業家精神を備えています。プロダクトマネージャーは強い好奇心と学習意欲を持っています。当社のプロダクトマネージャーの役割では、幅広い職務に対して知識を広げることが求められます。エンジニア、ビジネスコンサルタント、業界のエキスパートなど、プロダクトマネージャーはさまざまな経歴を持っています。プロダクトマネージャーは、お客様やお客様のために当社が開発する製品やサービスに対する情熱を共有しています。
製品の構築、リリース、運用に関わるあらゆる部門の仕事にその情熱を注ぎ込みます。プロダクトマネージャーは、マーケティング、エンジニアリング、営業、サポート、法務が連携して業務を遂行し、お互いに非難したり、目的を見失ったりすることなく、常にお客様を念頭に置いた姿勢を保つようにします。プロダクトマネージャーは、チームがお客様を中心に考え続けられるよう、しっかりと支えます。
スピードの必要性: 成功のために製品チームを最適化する
Amazon はそのスピードの速さで知られています。ジャシーが最近述べたように、「スピードは事前に決められていません。スピードは選択です」。 常に実験する意欲と切迫感を備えた文化と、それを迅速かつ効果的に実行できる組織構造を構築する必要があります。Amazon では、製品チームがオーナーシップ、説明責任、適切な実行スキルを備えるとともに、迅速に行動してお客様に寄り添えるよう小規模であることに重点を置いています。
当社は製品チームに完全なオーナーシップと説明責任を与え、スタートアップのような考え方と俊敏性をもって製品を実行できるようにします。当社は、あるチームが適切なスキルの組み合わせを備え、他のチームへの依存を最小限に抑えながら迅速に実行できるようにしています。これにより、チームは対象領域のエキスパートとなり、生産性とスループットが向上し、仕事の質が改善され、自社の製品やビジネスへの影響とのつながりをより強く感じることができます。その結果、より多くのイノベーションとより価値のある製品が生まれます。
これらのチームに仕事を割り当て、最も価値の高い機会に取り組めるようにするのは経営陣の責任です。経営陣は製品チームにミッションを与えますが、それを実行する最適な方法はチーム自身が考えます。これらのチームは、明確に定義された一連のメトリクスに基づいて業務を遂行しており、デザインやテクノロジーからビジネスの成果に至るまで、重点領域のあらゆる側面で責任を負っています。
オーナーシップと説明責任に加えて、Amazon は製品チームの規模を適切に設定し、コミュニケーションと調整のオーバーヘッドを最小限に抑えています。したがって、チームは迅速に行動し、可能な限りお客様の近くで作業することでお客様のニーズにより良く対応することができます。機敏でいられるよう小規模である必要がありますが、影響力を持つのに十分な大きさを備えている必要もあります。
この規模の製品チームでは知識の共有とコミュニケーションが容易であるため、観察、学習、適応に関するチームの能力が強化されるとともに、意思決定に対する障壁が軽減されます。その結果、チームはスケジュールを管理したり、全員に最新情報を伝達したりするために費やす時間を減らすことができ、物事を成し遂げるためにより多くの時間を費やすことができます。このアプローチは、複雑な相互依存関係によってイノベーションと実装の速度が低下する可能性のある製品管理において特に有益です。
製品チームは、機敏でいられるよう小規模である必要がありますが、影響力を持つのに十分な大きさを備えている必要もあります。
何が重要かを測定する: 反復的なイノベーションのメトリクス
プロダクトマネージャーは、お客様から逆算して考えて、製品のビジョンと戦略を策定します。また、パフォーマンスの追跡、問題の発見と対処、関連する傾向とパターンの検出を行うために、製品およびビジネスのメトリクスも定義します。
強調したいのは、当社の製品チームは大きく考えますが (Think Big)、小さなことから始める、ということです。当社の製品チームは、愛すべき最小限の製品から始めて、新たな成長機会と運用効率を探りながら、時間の経過とともに着実にカスタマーエクスペリエンスを改善することを目指しています。データと分析を活用することで、実現できない可能性のあるアイデアを迅速に特定しながら、有望なアイデアをさらに強化し、お客様にとって最大の価値をもたらすアイデアを拡大できます。
重要なメトリクスは、製品のライフサイクルを通じて変化および進化します。
スケジュール、予算、範囲の遵守など、従来のプロジェクトメトリクスは有益です。しかし、当社はお客様の成果に重点を置いているため、スピード、俊敏性、お客様のニーズを満たしているかという点に照らして、製品チームのパフォーマンスを測定します。
重要なメトリクスは、製品のライフサイクルを通じて変化および進化します。これまで存在しなかったものをリリースするとき、プロダクトマネージャーの指示を受ける製品チームは、お客様と解決しようとしている問題についての深い理解に基づいて、直感に頼って測定対象を決定します。製品の最初のバージョンがお客様の手に渡ったとき、チームは、お客様がその製品について好ましく思っている点と、うまく機能していない点やお客様の不満を生じさせている点についてのインサイトを収集することに注意を向けます。この段階では、お客様の使用状況、機能の価値、エラー率、採用傾向などのメトリクスを優先します。製品がより洗練され、後続のバージョンで注目が増すにつれて、製品チームは、製品やビジネスをより効率的かつ効果的に拡張して運用することに注意を向けるようになります。この段階では、収益、採算性、運用リスクなどの運用メトリクスの重要性が増します。製品チームは、製品の採用と成熟度のライフサイクルの各段階で何を測定しようとしているのかを明確に把握し、そのメトリクスが実用的なものとなっているか確認します。
製品チームにおける透明性と可視性も重要です。製品チームがお客様とイテレーションし、循環的に得られるデータをエンタープライズレベルにフィードすることで、ポートフォリオの視点では、製品ライン、地域、お客様セグメントのパフォーマンスを確認でき、さらなる戦略開発に役立つ情報が得られます。ポートフォリオの透明性は、事業部門が問題を特定するのにも役立ちます。
重要なポイント
Amazon のお客様中心の製品駆動型のアプローチである Working Backwards を採用することで、常にお客様を起点に考えて、「逆算して取り組み」、お客様のために反復的にイノベーションを起こすことができます。
これを実現するための要件:
揺るぎないビジョンに沿った PR とよくある質問の作成を通じて、お客様のニーズや希望に応える製品に関する明確かつ簡潔なビジョンを持つ
スピードと俊敏性を実現するために、チームを信頼し、細部に柔軟に対応できるリーダー
お客様の声を代弁し、ビジネスについての説明責任を負い、1 日の始まりから対象のお客様と製品について考えるシングルスレッドリーダーの役割を持つプロダクトマネージャー
最適な実行方法を見つけるためのオーナーシップと自主権を備え、構築、実験、イテレーションのための適切なスキルと、俊敏性および影響力を発揮するための適切な規模を備えた、権限を持つチーム
製品がライフサイクルを通じて進化する中で、明確な目標と成功の定義を持ち、お客様から取得したデータとインサイトを使用して、測定すべき適切な対象に焦点を当てる
これらすべてを組み合わせることで、Amazon は真に革新的な製品とソリューションを提供しながら、スピード、俊敏性、規模を最大限に高めることができます。
次の製品管理コンセプトを、組織に適用しましょう。
カスタマーエクスペリエンスのライフサイクル全体を考慮します (製品の使用方法、購入に関する意思決定の方法、サポートへの問い合わせ方法など)。その後、その幅広い知識ベースから「逆算」して、長期にわたって反復的かつ迅速にソリューションを開発します。
お客様のニーズを抽出するために、製品チームに PR/よくある質問の 1 ページの資料を作成してもらって実験します。そのニーズをどのように満たすかを考え、質問や障害を予測し、製品のライフサイクルを通してチームがガイダンスを得られるようにします。
製品チームが俊敏性を保てるように小規模でありながら、影響力を持つのに十分な大きさを備えているようにします。これにより、継続的な俊敏性と実験結果への適応に確実を期すことができます。
カスタマーエクスペリエンスに最も関連するメトリクスに焦点を当てることによって、重要な事項を測定します。
製品管理や他の事項についての Working Backwards (逆算して取り組む) のメカニズムの詳細については、Innovation & Transformation Programs チームまでお問い合わせください。
著者について
Amazon、Innovation Learning 部門 Worldwide Head、Choong W. Lee
Choong は、AWS のお客様のシニアエグゼクティブと協力して、お客様が Amazon を使用した経験から得たインサイトと教訓を適用できるようサポートし、お客様にイノベーションを迅速かつ大規模にもたらしています。以前は AWS で Migration Acceleration Program (MAP) の Worldwide Head を務め、最大級の規模を誇る企業のお客様による AWS の移行とモダナイゼーションの取り組みの加速をサポートするグローバルチームを率いていました。AWS に入社する前は、20 年間にわたって、先駆的なテクノロジーおよび経営コンサルティング企業でシニアエグゼクティブを務めていました。これには、The Boston Consulting Group (BCG) のパートナー、Accenture の IT 組織内の Data and Integration Architecture Group での Global Head、および Accenture の Technology Executive が含まれます。Choong は、イリノイ大学アーバナシャンペーン校で電気工学の理学士号 (優等学位) を取得しています。