反復からイノベーションへ
Telefónica の顧客へのこだわりが、どのように成果をもたらすか
Telefónica の Chief Digital Officer である Chema Alonso 氏との対談
Telefónica の Chief Digital Officer である Chema Alonso 氏は、世界最大級の通信会社のデジタル製品、データ、プラットフォームのイノベーションの責任を負っています。Alonso 氏は、Telefónica のエンタープライズビジネスが、新しいメディア、テレビ、エンターテインメントの視聴体験を通じて、顧客のためにどのようにイノベーションを実現するのかについて語ります。
リビングルームでのカスタマーエクスペリエンスの革新
Telefónica は、動画、Wi-Fi、電話、IoT のシステムとサービスを複数の国の消費者に提供する主要なプロバイダーです。しかし、パンデミックの中、Chema Alonso 氏と Telefónica は、顧客のためにもっと多くのことをする機会があることを認識しました。パンデミックが収束し、顧客が日々の生活をより家庭中心にシフトするにつれ、Telefónica は通信プラットフォームの革新を模索しました。通信プラットフォームは、つながりやエンターテインメントなどを求める人々にとって、これまで以上に重要になっています。
Telefónica は、製品を念頭に置いて始めるのではなく、AWS のイノベーションプログラムで顧客のニーズを分析し、顧客に付加価値をもたらすものは何かを遡って考えました。チームは、同社の Living Apps の 1 つを通じて、Amazon の e コマースを同社のテレビプラットフォームである Movistar Plus+ に導入する機会を得ました。 ホームエコシステムを Amazon マーケットプレイスに開放するということは、顧客が自宅にいる間に役立つ 4 つ星製品 20,000 点以上へのアクセスを提供することを意味しました。Working Backwards (目的から遡って考える) の取り組みは、反復型イノベーションへの新しいアプローチを推進し、規模の拡大につながりました。
最も素晴らしいのは、Amazon と Telefónica のような 2 つの大企業が、顧客のために小さなことに集中して、後で大きな成果を上げることができることです。カスタマーエクスペリエンスと、当社の市場における成功にとって、ディテールが極めて重要です”
学び、イテレーションし、スケールしましょう。
Telefónica と Amazon Web Services の歴史は、2012 年の Smart Steps プロジェクトまでさかのぼります。このプロジェクトは、顧客へのこだわりと顧客に代わってイテレーションするという両組織共通のコミットメントを強固にしました。 Amazon Web Services は、製品開発プロセスに貢献することで、Telefónica とそのサービスを利用する人々の成功の実現を可能にする、信頼できる戦略的パートナーであることを証明しました。
Telefónica は、顧客のスマートテレビの Selección Hogar de Movistar Living App で購入できる Amazon.es の 2 万点を超える 4 つ星製品にアクセスできるようにしました。提供される製品オファリングは常に更新されており、顧客は、室内装飾、調理用品、DIY 用品、他の便利な商品を購入できます。
このイニシアティブはスペインの 190 万世帯超で利用でき、現在ラテンアメリカ全域で展開されています。顧客は、自宅で購入について話し合ったり、製品を比較したりできることを高く評価しています。これにより、ショッピングエクスペリエンスは家族全員で共有できるものへと変容し、この新しい消費者行動から、Telefónica は顧客との関係を改善するのに役立つインサイトを得ることができます。
小さく始めましょう。イノベーションでは常に学習していくことになるため、最善のソリューションを探すのはやめましょう。実用最小限の製品から始めて、お客様の声に耳を傾け、継続的に製品を改良していきましょう”
継続的にイノベーションを起こす
顧客重視のイノベーションプロセスは、現在進行中のフライホイールの一過程です。次は継続的な反復です。 Telefónica の計画には、顧客が買い物をしながら携帯電話、ウェブ、またはスマートテレビを通じて取引を完了できるようにすることも含まれます。次に、ホームエコシステムをサードパーティープロバイダーに開放する取り組みを反復しています。この方法でアーキテクチャとエクスペリエンスをさらに拡張することで、マーチャンダイジング、メディアイベント、およびデジタルイノベーションの将来のロードマップの機会が開かれます。
デジタルイノベーションに着手している他の経営幹部に何かアドバイスはありますか?
Alonso 氏: 小さく始めることです。イノベーションでは常に学習していくことになるため、最善のソリューションを探すのはやめましょう。最低限の製品から始めて、お客様の声に耳を傾け、継続的に製品を改良していきます。プロジェクトが「終わった」と考えてはいけません。 大企業であっても、大きなものに発展する可能性のある小さなプロジェクトに注力してください。それが私にとって一番の学びです。
Telefónica、Chief Digital Officer、Chema Alonso 氏
Chema Alonso 氏が Telefónica SA に入社2016 年に執行委員会に就任し、現在は最高デジタル責任者を務めています。イノベーション、データ、プラットフォーム、デジタル製品およびサービス、および Network API (Network as a Service) を統括しています。同氏は販売プロセスと顧客コミュニケーションチャネルのデジタル化戦略を主導し、新しいデジタル製品とサービスの革新を促進しています。また、ビッグデータと人工知能による内部効率の向上も支援しています。Alonso 氏は、レイ・フアン・カルロス大学でコンピュータセキュリティの博士号を、マドリード工科大学でコンピュータシステムの技術工学の学位を取得しています。
