Coinbase では、AI が安全な暗号通貨取引を促進してくれます

AI を使用して不正行為と闘う

Bitcoin などの暗号通貨は、ここ数年にわたって何度もメディアの見出しに登場してきました。こうしたデジタルトークンは、硬貨との共通点をいくつか持っており、購入、取引、消費が可能です。事実、市場全体がデジタル通貨の取引を中心として成長しており、投資家や投機家はすべての変動に目を光らせています。


その中心となるのが、サンフランシスコに拠点を置くデジタルウォレットおよび取引プラットフォームの Coinbase です。2012 年の設立以来、2,000 万人超の販売業者と消費者が 1,500 億 USD 超相当の暗号通貨を使用して取引をしました。

すべての金融サービス企業と同様、Coinbase も、運用に使用する環境の安全性確保を図りながら、消費者にシームレスな体験を提供する必要がありました。そのために、同社はアマゾン ウェブ サービス (AWS) の機械学習ツールを使用して人工知能 (AI) を利用しています。

「AI は設立当初から当社の DNA に刻みこまれています」と、Coinbase のデータサイエンス部門ディレクター、Soups Ranjan 氏は言います。「暗号通貨取引が対処しなければならない最大のリスク要因の 1 つが不正行為であり、機械学習は私たちの不正防止システムの要です」

Coinbase のエンジニアは、機械学習モデルを簡単に構築、トレーニング、デプロイできるツールである Amazon SageMaker を使用して、ユーザー認証のソースにおける不整合や異常を認識する機械学習駆動型システムを開発し、不正のもととなりうる因子に対して迅速にアクションを起こせるようにしました。

「オンラインでの ID 認証は実に難しい問題です」と Ranjan 氏は言います。「バーに行くと用心棒から運転免許証を見せるよう言われます。用心棒は特定の周波数の光を当ててホログラムのような隠されたメッセージを探せます」

これはオンラインではできないため、Coinbase は SageMaker を使用して画像分析用の機械学習アルゴリズムを開発し、不正を阻止しています。たとえば、顔類似性アルゴリズムでは、アップロードされた ID の顔を自動的に抽出して、ある顔をアップロードされた別の ID の顔すべてと比較します。不正を働く者はよく複数の ID で同じ写真を使用します。そうしなければその ID で顔の数か所を編集する必要があるからです。顔類似性アルゴリズムを使用することで、同社は不正を迅速に検出できます。

「機械学習により、Coinbase にとってのリスクとお客様にとっての柔軟性のバランスを取って、可能な限り最良の体験を提供できます」

Soups Ranjan 氏
データサイエンス、ディレクター
Coinbase

「機械学習により、Coinbase にとってのリスクとお客様にとっての柔軟性のバランスを取って、可能な限り最良の体験を提供できます」

Soups Ranjan 氏
データサイエンス、ディレクター
Coinbase

「事実として、お客様は別の暗号通貨サービスに簡単に移れます」と Ranjan 氏は言います。「機械学習により、Coinbase にとってのリスクとお客様にとっての柔軟性のバランスを取って、可能な限り最良の体験を提供できます」

不正防止アルゴリズムの構築によって得たインサイトにより、Coinbase はユーザーのタイプに基づいて体験を調整できるようにもなりました。買い持ちする個人レベルの投資家と、多数の取引を行う洗練されたプロのユーザーを、シンプルかつ直観的に分類するのです。最近の顧客分類作業において、Coinbase のアナリストは、ノートパソコンでクラスター化アルゴリズムを記述して SageMaker を介してそれを実行するだけで、顧客による暗号通貨の利用状況を分析して、取引にのみ関心のあるユーザーと、長期間投資しているユーザーとに分類することに成功しました。

しかし、リスク管理は一面的な取り組みでは終われません。デジタルな基盤を持つことを考えれば、より伝統的な金融市場と同様、暗号通貨に大量のデータが伴うことに不思議はありません。「当社のデータウェアハウスは、ブロックチェーンやユーザーデータを含め、さまざまなマイクロサービスからデータを収集します。すべて合計すると数百テラバイトにもなります」と Ranjan 氏は言います。「これは、今年初めの 2 倍にのぼる数字です」

しかし、Coinbase は厳しく規制された環境で運用しており、同社は顧客データを確実に保護するために追加の措置を取っています。社内のデータサイエンティストやエンジニアからの保護です。Coinbase の本稼働サーバーで実行されるすべてのコードは、本稼働前に複数の人間により確認されています。「当社の中心的な信条の 1 つは、セキュリティファーストな企業であることです。顧客に代わって暗号通貨を保管しているためです」と Ranjan 氏は言います。

きわめて安全な環境でデータへのアクセスを制限すると、機械学習の利用ははるかに難しくなります。Coinbase は、ある方策によりこの課題を克服しました。徹底的に確認され Amazon Elastic Container Registry にコミットされたコードのみを介してデータログにアクセスすることを機械学習エンジニアに許可したのです。機械学習エンジニアは、本番サーバーに実際にログインしたり確認されていないコードを実行したりすることはできません。

このようにして得られたその存在に対する信頼により、デジタル暗号通貨は成り立っています。Coinbase のような企業は AWS を利用して常にリスクに対処し続けることで、信頼を築き、維持しています。

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