AWS と Deloitte がコンピュータビジョンベースのコンテナ追跡でバンクーバー港のサプライチェーンの可視性を向上させる
エグゼクティブサマリー
2017年、バンクーバーフレーザー港湾局 (バンクーバー港) は、カナダ西部ゲートウェイのコンテナ検査プロセスの調整、透明性、およびサプライチェーンの効率性を高める必要性を認識しました。 これは、港湾コミュニティ全体の不満と課題の主な原因でした。 複数の組織に分散している実際の業務についての信頼できる情報は限られていました。
バンクーバー港と Deloitte は、コンピュータビジョンを選択して、検査対象の輸送コンテナの動きをより効果的に追跡することで、地上業務を最適化し、コンテナ検査を迅速化していいます。 Deloitte は AWS と協力して、AWS Panorama のエッジコンピュータビジョン推論機能やその他の高度な分析テクノロジーを利用して、コンテナの識別と追跡、ブロックチェーンシステムへのリアルタイムデータの供給、適切なコスト配分の実現、既存のプロセスにおける効率改善を行う機会の特定を目指しています。
課題: コンテナ検査の変動費とスケジュールの制限
2017年、貿易と物流の回廊であるカナダ西部ゲートウェイのコンテナ検査サプライチェーンを見直す必要がありました。「これは、港湾コミュニティ全体の不満と課題の主な原因でした。 実際のコンテナ検査業務についての信頼できる情報は限られていて、多くのプロセスは手作業で行われており、情報は複数の組織に分散されていました」と、バンクーバー港、陸上業務およびセキュリティ担当重役のグレッグ・ロッジ氏は述べています。
プロセスの変動性と非効率性も、コストとスケジュールに影響を与えました。 そこで、2018年、バンクーバー港は Deloitte と協力して、コンテナ検査プロセスの可視性と透明性を高めるブロックチェーンアプリケーションを導入しました。 ブロックチェーンアプリケーションをデプロイした後、バンクーバー港と Deloitte は、他の高度なテクノロジーを適用してコンテナの追跡と移動を最適化する機会を見出しました。
「エッジでのコンピュータビジョンを採用することで、バンクーバー港はプライバシーを守りながら競争力を高めています」
- バンクーバー港、陸上業務およびセキュリティ担当重役、グレッグ・ロッジ氏
ソリューション: 業務上の洞察を得るためのエッジでのコンピュータビジョン
AI の一分野であるコンピュータビジョンにより、組織はビジュアルデータから新しい洞察を引き出すことができます。深層学習技術を使用すると、マシンは画像や動画内のオブジェクトを正確に識別して分類し、「見ている」ものに反応することができます。 バンクーバー港と Deloitte は、AWS Panorama をコンテナ追跡ソリューションに使用することを決定しました。それは、データをクラウドではなくエッジでローカルに処理するからです。 港の業務の分散、帯域幅の制約、データレジデンシーの要件により、AWS Panorama およびそのコンピュータビジョンモデルをローカルで実行する能力は、好ましいソリューションとして際立っていました。
Deloitte は AWS Panorama を使用して、港湾が物理的な業務に関する新しいレベルの洞察を得られるよう支援しています。これにより、サプライチェーンパートナーとの連携が強化されます。Deloitte パートナーのドン・マクファーソン氏は、「私たちは、AWS Panorama を既存のブロックチェーンアプリケーションと統合するという新しいアプローチを見つけました」と述べています。 このアプローチを導入することで、主な利害関係者のために、手作業によるデータ入力がさらに減り、データ照合が改善され、より正確でリアルタイムかつ豊富な情報をアプリケーションに提供できるようになります。 もう 1 つの利点は、バンクーバー港が既存の IP カメラインフラストラクチャをソリューションの一部として使用できるようになったことです。
地上業務の最適化とコンテナ検査の迅速化
港には 27 のターミナルがあり、拡張のための追加の工業用地へのアクセスは制限されています。検査用のスペースが限られているため、効率的な地上業務が鍵となります。 Deloitte の AWS Panorama でのコンピュータビジョンソリューションにより、ドレージと検査のプロセス全体でコンテナの検出、追跡、ローカリゼーションを改善し、コンテナの検査を加速し、トラフィックを合理化することができました。ボットは、停泊所の割り当て、コンテナの順序付け、返却準備が整っているコンテナを予測してアラートを送信します。これにより、待ち時間が短縮され、港のスペースをより効率的に使用できます。
「コンピュータビジョンにより、コストを適切に配分でき、既存のプロセスにおける効率改善の機会を引き続き特定できます」
- Deloitte パートナー、ドン・マクファーソン氏
エッジでのコンピュータビジョン推論によるデータプライバシーとセキュリティの向上
エッジコンピューティングは、多くは非公開であるコンテナ、その内容、および状態に関する動画データのインターネット経由での送信を制限します。 オンプレミスのエッジサーバーはデータを安全に処理し、ほぼリアルタイムのアプリケーションで必要な重要な情報を返すことができます。 コンテナ検査プロセスは携帯デバイス、カメラ、IoT に大きく依存するため、AWS Panorama は VFPA にとって最適でした。「エッジでのコンピュータビジョンを採用することで、バンクーバー港はプライバシーを守りながら競争力を高めています」と、ロッジ氏は述べています。
コスト削減とユーザーおよび港の顧客のエクスペリエンスの改善
非効率的で手作業によるコンテナ検査プロセスにはコストがかかります。書類の不備や集中的な検査などにより、出荷が数日から 1 か月遅れる可能性があります。貨物の荷降ろしや再荷揚げに追加の労力を必要とする場合があります。 それらはトラフィックフローや地上業務を妨げ、保管費と人件費を増加させます。Deloitte と AWS のソリューションによる自動化で、バンクーバー港は遅延とコストを低減しています。また、自動化により生産性が向上し、港でのボトルネックや遅延が減少するため、コンテナ検査員、トラック運転手、ターミナル従業員、その他の港の顧客のエクスペリエンスも改善しています。 「既存のブロックチェーンシステムにリアルタイムのデータを供給する AWS Panorama を使用して、コンピュータビジョンにより適切なコスト配分を実現し、既存のプロセスにおける効率を改善する機会を引き続き特定できるようになりました」と、マクファーソン氏は述べています。
バンクーバーフレーザー港湾局について
バンクーバーフレーザー港湾局は北米の大規模な港で、年間 300 万個以上の輸送コンテナを処理しています。
Deloitte について
戦略的なグローバルシステムインテグレーターである Deloitte は、組織が財務、サプライチェーン、IT 運用投資などから組織のパフォーマンスと価値を最大限に引き出すのを支援します。
公開日: 2021 年 8 月