Amazon S3 に保存するオブジェクトの数が数百から数百万、数十億に膨らみ、テラバイトからペタバイトに増えるにつれて、ストレージの使用状況を可視化することがますます重要になります。Amazon S3 には、大規模なストレージをよりよく理解し、分析し、最適化するのに役立つ多くの機能があります。
Amazon S3 ストレージレンズ
S3 ストレージレンズは、オブジェクトストレージの使用状況とアクティビティの傾向を組織全体で可視化します。また、コストを最適化し、データ保護のベストプラクティスを適用するための、実用的なレコメンデーションを作成します。S3 ストレージレンズは、組織内の数百から数千のアカウント全体での、オブジェクトストレージの使用状況とアクティビティを 1 つのビューに表示できる、最初のクラウドストレージ分析ソリューションです。複数の集計レベルで詳細なインサイトが提供されます。S3 ストレージレンズは、16 年以上にわたってお客様のストレージ最適化を支援してきた経験を活かし、組織全体のメトリクスを分析して、状況に応じたレコメンデーションを提示します。これにより、即座に行動を取れるようにします。
Amazon S3 を使用して、数十から数百のアカウントとバケット、複数のリージョン、および数千のプレフィックスにわたる大規模な共有データセットを保存しています。S3 ストレージレンズを使用すると、ストレージを簡単に把握し、分析して異常値を検出できます。Amazon S3 のすべてのお客様は、28 のメトリックスと 14 日間の履歴データを受け取るように事前設定された S3 コンソールのインタラクティブな S3 ストレージレンズダッシュボードにアクセスできます。可視性をさらに高めるには、ストレージレンズの高度なメトリクスとレコメンデーションにアップデートできます。これには、15 か月のデータ保持、4 つのカテゴリ (アクティビティ、高度なコスト最適化、高度なデータ保護、詳細なステータスコードメトリクス) にわたる 35 の追加メトリクス、プレフィックスレベルの集計、CloudWatch メトリクスサポートが含まれます。
Amazon S3 インベントリ
Amazon S3 インベントリは、ストレージの管理に役立つ機能です。S3 インベントリは、S3 バケットまたはプレフィックスについて、オブジェクトとそれに対応するメタデータのレポートを日次または週次で提供します。このレポートは、オブジェクトの暗号化とレプリケーションステータスを確認することにより、ビジネス、コンプライアンス、および規制のニーズを満たすために使用できます。S3 インベントリレポートを使用して、ビジネスのワークフローやビッグデータのジョブをスピードアップすることもできます。
S3 インベントリレポートには、バケット名、キー名、最終変更日、オブジェクトサイズ、ストレージクラス、レプリケーション、暗号化ステータスなどの対応するメタデータが含まれます。S3 インベントリレポートは、毎日または毎週配信でき、暗号化して機密データを保護できます。また、特定のニーズに関連するさまざまなタイプのメタデータを提供する複数のレポートを配信するように設定することもできます。S3 インベントリレポートは、S3 バケットまたは共有プレフィックスのオブジェクトとそれに対応するメタデータのリストを提供します。これを使用して、ストレージのオブジェクトレベルの分析を実行できます。
Amazon S3 インベントリを使用すると、セキュリティとコンプライアンスのためにオブジェクトの暗号化ステータスを監査したり、別の S3 バケットへのオブジェクトのレプリケーションステータスを追跡したり、ビジネスのワークフローやビッグデータのジョブをスピードアップしたり、S3 バッチオペレーションの対象オブジェクトを特定したりできます。
Amazon S3 ストレージクラス分析
S3 ストレージクラス分析を使用すると、オブジェクト全体のアクセスパターンをモニタリングすることができます。これは、コストを最適化するためにデータを適切なストレージクラスに移行するタイミングを決定するのに役立ちます。その後、この情報を使用して、データ転送を実行するための、S3 ライフサイクルポリシーを設定することができます。また、S3 ライフサイクルポリシーを使用して、ライフサイクルの終了時にオブジェクトを期限切れに設定することもできます。アクセスパターンが頻繁に変化する場合は、S3 Intelligent-Tiering を利用できます。これを使用すると、アクセスパターンの変化に基づいて 4 つのアクセス階層間でデータを自動的に移動できます。これには、高頻度アクセス階層、低コストの低頻度アクセス階層、アーカイブアクセス階層、およびディープアーカイブアクセス階層が含まれており、コスト削減につながります。ストレージクラス分析では、ストレージ使用状況を日次で AWS マネジメントコンソールに表示し、S3 バケットにエクスポートして、選択したビジネスインテリジェンスツール (Amazon QuickSight など) を使用して分析できます。ストレージクラス分析の詳細については、ストレージクラス分析ドキュメントガイドをご覧ください。