Capital One とその長期戦略を適切に理解するには、この組織は銀行ではなく (ただし、この多角化された金融サービス企業は、資産と預金額では米国の上位 10 行の 1 つです)、バンキングサービスを提供するデジタルテクノロジー企業であると考えるとよいでしょう。Capital One の原動力となっている中心的な考えは、次世代バンキングの勝者は、テクノロジーを最も創造的かつ革新的に使用して、シームレスでインテリジェント、真に優れたカスタマーエクスペリエンスを提供する企業であるというものです。
そのため、Capital One はクラウドファーストというポリシーを持ち、すべての新しいアプリケーションはクラウド用に構築され、クラウド上にデプロイされています。また、データ分析と機械学習を使用して顧客のフィードバックや意向をより良く理解しています。
また、それがアマゾン ウェブ サービス (AWS) に移行し、Amazon Connect のクラウドベースのカスタマーセンターサービスをデプロイした理由でもあります。
Capital One は、バンキングの顧客から毎日数千件の問い合わせを受けています。「それぞれのお問い合わせは、シンプルさ、創意、人間らしさをバンキングで提供するという私たちのミッションを実践する機会です」と、Capital One ソフトウェアエンジニアリング担当副社長 Rajiv Sondhi 氏は語っています。「そのミッションには、テクノロジーが戦略的に使用されています。」
キーワードは「戦略的」です。 Capital One はウェブおよびモバイルバンキングサービスにおける初期のリーダーであり、顧客が Amazon Alexa 対応端末を通じて金融口座を管理できるようにした最初の企業ですが、テクノロジーのためのテクノロジーは使用していません。その代わり、Capital One はテクノロジーによって優れたカスタマーエクスペリエンスを可能にする方法について集中的に取り組んでいます。
「私たちは、お客様が望むような方法でサービスを提供することを心がけています」と Sondhi 氏は語っています。「常に新しいテクノロジーを調査していますが、多くのお客様や状況にとって音声チャネルが引き続き重要であることを認識しています。」
Capital One の旧世代のコンタクトセンターソリューションはよく機能していましたが、他社のシステムとより簡単に統合し、よりシンプルで高速な変更プロセスをサポートするシステムに置き換えて、さらにイノベーションの速度を高めたいと考えました。Sondhi 氏のチームは、可能な候補を調査中に、データセンターのフットプリントを減らし、マイクロサービスの使用を増やして、よりオープンで統合されたアーキテクチャを構築するという、組織の長期的な目標に完全に適合するオプションである Amazon Connect について知りました。
Amazon Connect は、きわめて明瞭な音質を提供し、技術系以外のユーザーでも簡単に対応フローの設計、スタッフの管理、管理指標の分析、直観的なインタラクティブ音声応答 (IVR) メニューへの対応を行うことを可能にします。また、Amazon Connect を他のツールやサービスと統合するのは簡単です。これには、Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) を使用した通話記録の保存、Amazon Kinesis を使用した、Amazon Redshift などのデータウェアハウスソリューションへのメトリクスのストリーミング、AWS Lambda を使用したバックエンドシステムや API とのやり取りが含まれます。音声からテキストへの変換により、自然言語処理ツールによって通話の内容を検索し、分析できます。Capital One が Amazon Connect の料金を支払うのは、スタッフが通話を受けるときのみであり、ユーザー単位のコストは発生しません。
Sondhi 氏は AWS 上の簡単なデプロイに慣れていましたが、Amazon Connect の最初のパイロットとその後の展開が非常にシンプルかつ高速であることに感銘を受けました。「約 3 稼働日かかった PoC (概念実証) フェーズで、Amazon Connect を稼働させ、シンプルな通話フローを使用して、CRM システムとシームレスに統合することができました」と Sondhi 氏は語っています。「Amazon Connect の本稼働を開始した後で、数百人のスタッフをそれぞれわずか 30 分でトレーニングし、わずか 5 分でダイレクトバンキングと不正防止操作の 100 パーセントの導入率を達成しました。これは、以前のこのような規模の移行と比較して 2 倍以上高速です。」
顧客指向の Capital One にとって、Amazon Connect の最大のメリットは、迅速なイノベーション、シームレスなカスタマーエクスペリエンス、および使いやすさです。「Amazon Connect は、お客様の意向を理解し、さらにシームレスでパーソナライズされたカスタマーエクスペリエンスを提供するうえで役立っています」と、Captial One 銀行コンタクトセンターチャネル担当副社長 Jared Wall 氏は語っています。「わずか数か月 Amazon Connect を使用するだけで、既にお客様の成果やビジネスの全体的な俊敏性が向上しています。そしてこれは始まりにすぎません。」
Amazon Connect は、Capital One によるコンタクトセンターのエクスペリエンスの継続的な強化、微調整だけでなく、ビジネス全体での顧客ニーズの把握も簡単にします。「Amazon Connect を自然言語処理ツールと統合することで、お客様の問い合わせ理由、お客様が必要としている新機能、お客様に対して問い合わせをより効率的にする方法、およびスタッフが必要とする新しいカスタマーサービスツールについて、より多くの洞察を得ることができます」と Sondhi 氏は語っています。「コンタクトセンター内で、Amazon Connect の柔軟性により、以前のソリューションで必要だった数か月ではなく、数週間で新機能を追加することができます。
Amazon Connect を他のサービスやテクノロジーと統合する容易さにより、Capital One のカスタマーサービスはより強力で柔軟になります。「お客様が使用するチャネル (支店、Capital One Cafes、モバイルアプリ、コンタクトセンター) にかかわらず、シームレスなエクスペリエンスが必要です」と Sondhi 氏は語っています。「Amazon Connect はより大きなエコシステムと統合するため、スタッフは、お客様の場所にかかわらずお客様に対応するために必要な情報を取得し、あらゆる状況でお客様の期待を超えることができます。」
通話の音質が低かったり、わかりにくいメニューによりお客様がすぐに回答を見つけられない場合、これらのメリットは役に立ちませんが、Amazon Connect ではこのような問題はありません。「スタッフの 1 人は、古いシステムよりも通話の音質がはるかに明瞭であるため、お客様がすぐ隣にいるようですと言っています」と Sondhi 氏は語っています。「また、お客様からは、直観的な IVR メニューと、コールバックの仮想的な保留により、時間を節約できているという嬉しいフィードバックをいただいております。」
Capital One は、Amazon Connect を組織内の他の業務に拡張する際のスケールについて心配していません。「私たちは既に、手動の介入が不要な Amazon Connect のシームレスなスケーリングを体験しており、初期の通話量が倍増しています。組織全社にデプロイすれば、Amazon Connect は現在トラブルなしで処理しているスタッフ、通話、プロセスよりも 25 倍多い量に対応することになるでしょう」と Sondhi 氏は語っています。「Amazon Connect は、使用中の他の AWS のサービスと同じように必要に応じた量と速度でスケールアップし、組織全体での継続的なイノベーションとシームレスなカスタマーエクスペリエンスをサポートしてくれると確信しています。」